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【オンライン】不動産登記名義人の住所変更を個人で手続きする

2022年春に埼玉県リノベーション済みの中古マンションを購入しました。所有者はHiroyamaで間違いありませんが、購入時は神奈川県に居住していたため、法務局の登記簿上では神奈川県の人が登記していることになっています。今回はあくまで自宅で購入しているため、所有者の住所を自宅住所とする「登記名義人住所変更」の手続を行うことにしました。

登記の変更は司法書士に手続きを依頼するケースが多いかと思いますが、今回は自身でオンライン手続きしてみました。情報を揃え準備をちゃんとしておけば、思ったよりも簡単です。時間のある方は、ご自身でチャレンジしてみてください。

ポイント
  • 登記簿上の「所有権登記名義人」を自宅の住所に変更する必要性
  • 司法書士に依頼しなくても手続きは個人で可能
  • パソコンの環境整備が必要
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登記簿上の「所有権登記名義人」を変更する必要性

2026年4月から住所等の変更登記の申請が義務化

たまにニュースでも取り上げられますが、所有者不明の土地が全国で増えています。これは引っ越しや相続などで、所有者の登記名義人の住所や氏名の変更がされないケースが多いために起きています。

その対策として、2021年(令和3年)4月に成立した不動産登記法を改正。住所等の変更登記の申請義務化が2026年(令和8年)4月までに施行されることが決まっています。※相続登記は2024年(令和6年)に義務化。

詳しくは法務局のサイト等でご確認ください。

登記されている住所・氏名に変更があった方へ (住所変更登記・氏名変更登記の申請手続のご案内):法務局

不動産取得税の軽減措置

不動産を購入した後、「不動産取得税」の支払いが発生します。自宅購入した場合は軽減措置等もあるため、投資所有と判断されないよう「自宅=物件の住所」にしておくことは重要です。(手続きは各県の税事務所にご確認ください。)

不動産取得税とは?軽減はあるの?いくらかかるか計算方法も解説 | はじめての住宅ローン
マイホーム購入時にかかる「不動産取得税」とは。その計算方法や軽減措置についても解説をします。不動産取得税の税率は全国一律ですが、課税するのは各都道府県となっています。

個人の資産情報保護|賃貸からマンションを購入するケース

また義務化とは関係なく、個人資産の管理をきちんとしておくなら、手続きは必ずやってくことオススメします。賃貸に住んでいた人が自宅マンションを購入する場合は、所有者の登記名義人の住所変更は必須です。

不動産を購入後に、不動産関係のDMが良く届くようになります。特にHiroyama家の神奈川県の前住所は賃貸で借りていた部屋です。前住所に住んでいる知らない個人に「埼玉の〇〇マンション所有者のHiroyamaさん マンション売却はどうですか?」のDMが延々と届き続けることになります。

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住所等の変更登記は個人で可能

必要な書類と情報を揃えたら、個人でも不動産に関連する登記手続きは可能です。しかも「不動産所有者の登記名義人の住所変更」程度であれば、法務局に出向く必要もなく、自宅からオンラインで手続き可能です。

ただし必要な書類、必要な情報を揃えるために、役所には出向く必要がありますので、その点はご注意ください。

不動産登記名義人の住所変更必要な書類と情報

不動産登記名義人の住所変更必要な書類と情報を整理します。
この辺りは手続き開始前に確認し、揃えておきましょう。

必要な書類と情報
  • 土地と建物(部屋)の不動産登記簿
    (不動産購入時の登記で不動産会社から渡されているはず。無ければ法務局で入手。)
  • マイナンバーカード
    (署名用電子証明書パスワード:6~16桁の大文字英数字の文字列が必要)
  • 住民票コード
    (個人識別の11桁の数字の番号:役所窓口で確認しないとわからない)
  • ネットバンキング対応の銀行口座
    (手数料の振込みで使います。)

不動産登記簿

自宅マンションを購入し所有権移転登記をした際に、登記簿を受け取っているケースが多いと思います。正式な呼び方は「登記事項証明書」と言います。手元にない場合は法務局で手続きし入手しましょう。

申請の際に、登記簿に記載されている情報を入力する必要があります。

土地や建物の不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の取得方法。必要な書類や費用は? | リドックスの賃貸管理悩み相談

マイナンバーカードと署名用電子証明書パスワード

マイナンバーカードはお住まい自治体で発行しますが、カード発行の際に設定する「署名用電子証明書パスワード」が必要です。

「署名用電子証明書パスワード」忘れてしまった場合、役所で変更を申し出るか、「利用者証明用パスワード(数字4桁)」が判ればコンビニかスマホから再設定が可能になったようです。

JLIS 署名用パスワードをコンビニ等で初期化・再設定

※電子証明書の期限が切れた場合は役所で更新手続きが必要です。

住民票コードの入手

住民票コードは住基ネットで個人に割当てされた11桁の番号です。先述のマイナンバーとは異なります。また住民票にも通常は印刷されません。住民票コードを入手するにはお住まいの自治体に確認する必要があります。

さいたま市/住民票コードとは
住民票の記載事項の1つで、無作為に作成された11桁の数字です。住民票コードを利用することにより住基ネットでの本人確認が素早くできます。

自治体によって郵送が可能な場合、窓口に出向かないといけない場合があるようです。お住まいの自治体にご確認ください。

ちなみに「さいたま市」は窓口に行くと「住民票コードの通知書」を無料で発行してくれます。住民票コード入りの住民票の発行をお願いすると手数料がかかってしまいますが、「通知書」は無料のため、「住民票コードの通知書」の発行が可能か?聞いてみてください。

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オンラインの「所有権登記名義人」変更にはパソコンの環境整備が必要

パソコンで「登記・供託オンライン申請システム」を利用できるようにする必要があります。

オンライン手続きに対応したパソコン環境の準備

手続きの際は「申請用総合ソフト」をPCにインストールしますが、こちらのアプリケーションはWindows OSのみ対応しています。残念ながらMacは非対応のため、Windows PCが必須です。

また電子申請では、マイナンバーカードを読み込ませ電子証明を付与します。マイナンバーカード対応のカードリーダーを用意してください。私はIOデータの「usb-nfc3」を用意しました。

事前準備ガイドに沿ってパソコンの環境設定を行います

かんたん事前準備ガイドが公開されています。先述のカードリーダーやOS含め、「申請用総合ソフト」をPCにインストールするところまでの工程が詳しく書かれています。

必ずこちらのガイドを確認し、PC環境の設定から「申請用総合ソフト」のインストールまで済ませてください。
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/download_kani.html#Dounyu

登記・供託オンライン申請システムへの申請者情報登録

登記・供託オンライン申請システムを利用するには、申請者情報の登録が必要です。登録は「登記・供託オンライン申請システム」のトップページの「申請者情報登録」から行います。※登録は平日の8:30〜21:00に制限されています。

トップページの下部にリンクがあります。少しわかりにくい。

「申請用総合ソフト」のインストールと、申請者情報ID・パスワードを入手したら、本題の不動産登記名義人の住所変更に入ります。

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オンラインで不動産登記名義人の住所変更を申請してみる

ここからが本題です。「申請用総合ソフト」の操作に沿って説明していきます。

オンラインで申請書を作成

  1. 申請用総合ソフトを起動し、ID/パスワードを入力しログインします。
  1. ポップアップメニューから「申請書の作成を行う」を選択
  1. 申請様式から「不動産登記申請書」を選択
  1. 次に「登記申請書(権利に関する登記)【署名要】」を選択
  1. 最後に22番「登記申請書(権利に関する登記)(22)登記名義人の住所変更【署名要】」を選択
  1. 申請書の必要事項を入力
①〜⑥

①件名… ここは任意です。お好きにどうぞ。
②氏名… 今回は個人で申請するため、自身の氏名をカナで入力。
③登記の目的… 「所有権登記名義人住所変更」とします。
④原因… 住所を移転した日付を入力。私は住民票を転入した日にしました。
⑤変更後の事項…「住所」
⑥住所… 「〇〇県〇〇市〜」この住所は自身の物件住所です。


⑦〜⑩

⑦添付情報… 「登記原因証明情報」
⑧住民票コード情報… 自身の11桁の住民票コード
⑨申請年月日… 申請する日付
⑩申請先登記所… ここは[登記所選択]ボタンから選択します。


⑪〜⑬

⑪申請人… 自身の住所、氏名(カナ)、TEL。申請不備時はTEL頂けるので携帯番号が良いかと。
⑫登録免許税… 建物(部屋)と土地の各1,000円で最低でも2,000円。私は5,000円掛かりました。
        私のマンションは4分割された分筆地で、土地の数ぶんの金額必要でした。
⑬納付方法… 後でオンラインバンクで振り込みするため、「電子納付」を選択。


⑭〜⑱

⑭不動産の指定方法… 「オンライン物件検索」を選択。別画面で物件/土地を検索し選択します。
⑮物件種別… 「区分建物(専有)」を選択
⑯申請情報… 区分部屋の登記簿の記載情報を入力。(建物の名称… 自身の部屋番号)
⑰物件種別… 「土地」分筆地毎に複数登録します。
⑱申請情報… 土地の記載情報を入力。(対象登記の順位番号… 登記簿の順位番号

参考に登記簿のサンプルを置いときます。

引用元:法務省 登記簿謄本

すべての項目の入力が完了したら「チェック」を押します。半角文字が混じっていないか?などの確認が入ります。特にエラー出なければ「完了」ボタンを押すと、申請書の作成が完了です。

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申請書に電子署名の付与する

↓が申請書の作成が終わった状態です。処理状況が「作成済み【未署名】」となっていますので、右上の「署名付与」をクリック。

ICカードリーダーをPCに接続しマイナンバーカードをセット。準備ができたら「OK」をクリック。

マイナンバーカードに設定している「署名用電子証明書パスワード」を入力し、「確定」をクリック。

5回間違えるとロックが掛かります。ご注意を。

マイナンバーカードの電子署名付与が完了すると、以下の画面になります。

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申請データの送信と手数料の振り込み

電子署名の付与が終わったら、申請データを法務局にオンラインでデータ送信します。

『署』が付いた未送信の申請データを選択し、右上の「申請データ送信」をクリック。

これで法務局にデータが送信されます。事務処理に数日かかりますが、手数料のオンライン銀行振り込みは数分後から可能になります。

↓は既に銀行のオンライン振り込みを終えた状態ですが、メインの「納付」ボタンが押せる状態になったら、そこから進むと普段お使いのオンラインバンクに切り替わり、申請と振り込みが紐づく形で、手数料の振込みが可能です。特に処理に困ることはありませんでした。

これでオンラインの申請手続きは完了です。法務局の処理を待ちましょう。不備があると丁寧に修正箇所を教えてくれて、電話もいただけます。

オンラインで不動産登記名義人の住所変更の完了確認

申請手続きの確認もオンラインで「申請用総合ソフト」から閲覧可能です。

無事に手続きが受理されると以下のように「お知らせ」として記録されています。

また登記の完了記録もPDFでダウンロード可能です。

わざわざ土地と建物の登記簿を改めて取り寄せるのも手間なので、以下書類を印刷して保管しておくことにしました。

以上 不動産登記名義人の住所変更を個人で手続きした記録でした。やればできるものですね。

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